Real thing。

3月31日節目時。

今日も会社から一人の方が退職されました。
年も50才近く、中途入社で3年前に入社してきたスガさん。職場の中では随分と人間関係の衝突があったようで。震災前に退職は決まっていたのだそう。


そのスガさんとの印象深かった出来事、それは震災当日。普段は職場が違うのだけれど、セールではいつも同じ持ち場で。

地震前に一緒に販売をしながら、「この商品は良いよね〜!」とか言い合いながら俺が購入した自社商品。
そして震災。セール中だった会社の中は、商品も陳列もなにもかもがぐちゃぐちゃになって。

だけどそんな中で「はい。」と言う言葉と共に俺が買っておいた商品を見つけて持ってきてくれたのよね。
皆が混乱して余裕なんてこれぽっちも無かった中で、自分に最初の安らぎが生まれた瞬間でした。


今日、「退職されてこれからどうするんですか?」と聞くと、「なりゆきにまかせるかな・・・。」と。
そのスガさん、実家は気仙沼。人間関係にも疲れて会社を辞めて地元へ戻ろうと思っていたのかもしれない。深くは聞くことが出来なかった。スガさんにとっての茨城、どんなものだったんだろうなあ・・・。


昨日、茨城の日本酒を買ってきた。温かい気持ちへの、ほんの些細なお返し。
普段感情を表に出さないスガさんも、「いらないのに。ありがとう。」なんて言いながら顔を真っ赤にして歯を食いしばっているように見えた。


どうか、温かな気持ちで過ごせますように。