RainbirD。


今日はひとつの物語を紹介です。



昔、ある山奥にきこりの父勘三郎とその子供のゴン太が二人で暮らしていました。


いつの間にか目線も同じ位になるまで成長したゴン太。伸びたのは背丈だけじゃない。ゴン太は厳しい父勘三郎の下で身も心も大人になりつつありました。


それを厳しいながらも温かな眼差しで見つめる勘三郎。それとは裏腹に、子供の頃に見えなかったものも見え、大人になればなるほどに、父勘三郎に対する葛藤が生まれ続けるゴン太。


そしてゴン太は勘三郎の下を去りました。


きこりの勘三郎は木を叩くたびに次から次に飛び立つ鳥達に自分自身とゴン太を重ねました。


ゴン太はどこへ行ったのかも分かりません。ゴン太の気持ちは計る術も無く、いつの間にか遠く離れ離れになってしまいました。どんな辛い夜も、ゴン太の寝顔を見つめるだけで安らかな眠りにつけた父勘三郎。ゴン太は父勘三郎のそんな気持ちを知るはずも無かったのです。


勘三郎は、旅立ったゴン太をずっと待っていました。


しかし、待てど暮らせどゴン太は帰って来ません。


「いつか、ゴン太が朝を迎えたのなら、自分の気持ちを理解してくれたのなら・・・。」
帰ってきて欲しいと願う勘三郎


やがて季節も変わりました。寒さが増すほどに、雨も雪に変わりました。それに伴って、離れれば離れるほどに、待てば待つほどに毎日心が締め付けられる勘三郎勘三郎がゴン太を忘れた日など一日も有りませんでした。


どんなに嫌われても、理解ってくれなくとも、勘三郎はゴン太を信じてこれまで人一倍厳しく育ててきました。それは全てゴン太のため。


勘三郎は来る日も来る日も、いつまでもいつまでも、空を見つめてゴン太を待っていました。


ゴン太がいつか自分とゴン太の面影を重ねたあの鳥だったのなら、この空を飛んで帰ってきてくれるだろう。だから、一秒でも早くゴン太の笑顔を見たい、だから勘三郎はいつも空を見上げ続けていたのです。


これまで、優しさを厳しさでしか表現できなかった父勘三郎。そんな毎日を繰り返す中でお互い素直になれなくなっていった二人。


ゴン太がいつか笑顔で話していた夢のように、父勘三郎も夢を持っていました。それは他のなにものでもない、ゴン太がいつも笑顔でいてくれること。それが父勘三郎の夢であり、幸せでした。


勘三郎は夜な夜な涙と鼻水を啜りながら、ゴン太へくしゃくしゃの顔で「負けるな」と空に向かって叫んでいました。それがゴン太に届かないことがわかっていても。


やがて春が来て、夏が来て、秋が来て、そして冬が来る。ただ一人、何度季節の移り変わっていく様をただただ見つめ続けたことでしょう。いくら季節は変わっても、二人の心に降る雨は、いつまでも二人を冷たく濡らしました。


勘三郎もいつかは死んで、星になります。その前にゴン太の笑顔に会えるかどうかは分かりません。


勘三郎は、たとえ自分が星になったとしても、雨が降り続く雨雲の上からゴン太を照らし続けようと誓いました。


そうすれば、ゴン太がいつか誰かと幸せになって自分のことを忘れてしまったとしても、いつかゴン太の心に降る雨が止んで空が晴れたのならゴン太の笑顔に会えるでしょう?


たとえ、ゴン太がその星を勘三郎だと気づかなかったとしても。それでも、ぼくは、その日を待っている。




・・・・と、幕張でのライブも近いということで、今日はTERU作詞作曲の「RainbirD」を物語風に・・・。あへ。

この曲は、TERUが函館に住む自分の父を、父の目線から歌った曲らしいです。

TERUの想いの篭った歌だけにTAKUROの歌詞に負けずとも劣らない深みを持っている曲。

GLAYの世界はとても奥が深くていつも考えさせられます。

是非是非聴いてみて下さい/



ほならまたばいちゃ♪


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